ニューヨークのプロダクトデザイナー Hussain Almossawiは、指輪のような形をしたスマートな医療器具のプロトタイピング「Oxygem」を公開している。

これは、遺伝性の貧血症である鎌状赤血球症の患者によりよい生活を提供し、この病気で亡くなる人を減らすことを目的としたものだ。

この病気では、ふつうは円板のような形の赤血球が鎌状の三日月形をしており、簡単にくっついてしまい、小血管を塞いでしまうという。血液がしかるべき場所に届かないと酸素レベルが下がり、痛みが出たり臓器の損傷につながるそうだ。

発症を早期に発見して合併症予防に役立つのが酸素飽和度（SpO2）の測定。そこでこのOxygemが内蔵センサーで血中のSpO2を常に監視し、緊急事態に備えて医師に通知したり、リングに注意や警告が出たり、電話での通知まで受けることができる。

人間工学にもとづいたデザインを目指して、最初は耳にあてるタイプのものからテストを開始し、カスタマイズなしでより多くの人にフィットするリングタイプに決定。さまざまなプロトタイプを考え、最終的に小、中、大の3サイズに集約することができた。

あらゆる人のライフスタイルに溶け込む製品として設計。ユーザーが社会のなかで難病患者として目立つのではなく、誰でも身に着けるだけで恩恵を受けられるようなガジェットやスマートウェアを目指している。