REPORT | 展覧会 / 建築
2019.01.08 16:57
11月の終わり、パリは寒かった。
物悲しくひっそりとしたシャルルドゴール空港は、日が沈む時間を迎えていた。
フランスの最初はいつもこの落ち着いた気持ちから始まる。しかし、今回の感じは少し違った。
期待感からくる高揚感が、あったからかもしれない。
フランス・パリのラ・ヴィレット(La Villette)にて「MANGA⇔TOKYO」展が、2018年11月29日(木)から12月30日(日)の期間、「ジャポニスム2018」の公式企画として開催された。
本展は、日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品は、都市〈東京〉の特徴や変化を、多数の原画や模型、映像などで辿る企画展示である。
会場となったラ・ヴィレットは、パリの19区の東側の端、ベルナール・チュミ設計としても知られるラ・ヴィレット公園の中に位置する。この公園は、1974年までは食肉処理場として稼働していたようだ。
ここは、学生時代の建築の講義で必ず登場する(と言っても過言ではない)建築界では言わずと知れた公園であり、世界的なコンペティションを経て誕生した公園、文化施設だ。
今回、この一角で開催されるこの展示で、東京で建築事務所を営む私たち(SAKUMAESHIMA)が空間構成を担当させて頂く機会に恵まれた。この場所で仕事が出来る事にも興奮するが、何より今回は、展示企画の内容がとても面白いものだったのだ。
この展覧会の中身と魅力を、現地まで足を運べなかった方でも感じられるよう、ビジュアルを中心にお伝えしたいと思う。
本展は「TOKYO」のいう都市を「MANGA」を切り口で編集することで、東京を舞台に起こるフィクションと現実世界の東京の歴史とが、リアルに交錯する展示構成で、よりハイブリットな都市のリアリティを作り出していた。
都市計画により計画的に街づくりが行われる一方で、東京という都市が、マンガ、アニメ、ゲームや特撮などの創作物の中の舞台として様々な描かれ方をしている中で、実際の街も(聖地巡礼のような)創作物の影響を通して、変化、発展しているということに面白さを感じた。
秋葉原や池袋のように人々の趣味嗜好が都市を変える力を持っているのだ。これこそが「TOKYO」の魅力と言えるのではないだろうか。
「MANGA⇔TOKYO」展
- 会期
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2018年11月29日(木)~ 12月30日(日)
*現在は終了 - 会場
- ラ・ヴィレット