NEWS | テクノロジー
2018.12.27 12:25
UCLA Samueli School of Engineeringとスタンフォード大学の研究者は、人間と同じ視覚的な学習方法にもとづいて、「目の前に見える」現実世界の物体を発見・識別できるコンピュータシステムを実証したと発表した。
このシステムは、「コンピュータビジョン」と呼ばれる技術を進化させたもの。現在のAIコンピュータビジョンシステムはますます性能に優れ、優秀になっているが、それは特定のタスクがあるからだ。見たものを識別できるかどうかは、人間がどれだけトレーニングし、プログラムしたかで変わってくる。
現在の最高のシステムでも、ある部分を見ただけでは物体の全体像を構成できず、不慣れな設定では物体を見ても誤ることもありうるという。
今回のアプローチは3つの大きな段階で構成。まず、システムは画像を「viewlets」と呼ばれる小さなチャンクに分割。次に、コンピュータはviewletsをどのように組み合わせば物体を形成するかを学習。最後に、周囲にある他の物体を見て、その情報がはじめの物体の描写や識別に関連しているかどうかを判断する。
この枠組みを開発するために、研究者は認知心理学と神経科学の知識を援用したそうだ。
「私たちは幼児のころからそのモノが何かを学びますが、それはたくさんの文脈のなかで多くの具体例を見ているからです」とUCLAのVwani Roychowdhury教授は説明する。「こうした文脈学習(Contextual Learning)は脳の重要な特徴で、これにより、すべてのものが機能的に連関した一体的な世界の一部として、物体のしっかりとしたモデルを構築できるのです」。