フィンランドのアーティスト、ルート・ブリュックを紹介する書籍
「はじめまして、ルート・ブリュック」出版を記念した展覧会が開催中

▲「蝶」 ルート・ブリュック 1957年 11.9x 11 x 3.7 cm TWRB Foundation所蔵

フィンランドを代表するセラミック・アーティスト、ルート・ブリュックの作品とその魅力を紹介する本「はじめまして、ルート・ブリュック」が12月14日に出版された。現在、東京・乃木坂のBooks and Modern + BlueSheep Galleryでは、本書のブックデザインおよび撮影を手がけたアートディレクター・写真家の前田 景が撮り下ろしたブリュック作品やラップランドの風景写真のほか、蝶の陶板や灰皿などブリュック作品4点が特別に展示されている。

「はじめまして、ルート・ブリュック」はタイトルが示す通り、ルート・ブリュックを日本で初めて本格的に紹介する本となる。ブリュックは、1942年からアラビア製陶所の美術部門に所属。類まれな色彩感覚と想像力、セラミックという素材を駆使することで、愛らしい陶板から公共建築の大型壁画まで、約50年にわたり多彩な作品を生み出してきた。

▲「陽のあたる街」ルート・ブリュック 1975年 296 x 479 cm Photo by Kei Maeda

2019年4月、東京ステーションギャラリーで日本初の大規模展の巡回が始まるのに先駆けて刊行される本書は、ブリュックの代表作やフィンランドのラップランド地方を撮りおろした写真をふんだんに収めたビジュアルブック。ブリュックを読み解く9つのエッセンスで章立てを構成されている。

インタビュー&寄稿:
1. 「蝶」皆川 明
2. 「母と子」マーリア・ヴィルカラ
3. 「響きあうもの」酒井駒子
4. 「模様」鹿児島 睦
5. 「色」志村ふくみ、志村洋子
6. 「時」葛西 薫
7. 「空間」成相 肇
8. アイス・フロウ
9. 「ルートとタピオ」前田 景/今村玲子

「たとえるなら、詩を、建築的に、絵画にした人」(皆川 明)
「その色は、たぐいまれなる品格を現している」(志村ふくみ)

知られざるアーティストの多層的で豊かな魅力を日本を代表するクリエイターたちの9つの言葉から紡ぐ本書で、ブリュックの作品世界を皆川 明氏と志村ふくみ氏はそう表現している。

▲Books and Modern + BlueSheep Galleryで開催中の「はじめまして、ルート・ブリュック」展の様子。

現在開催中の「はじめまして、ルート・ブリュック」展で見ることのできる写真家の前田の風景写真も、ブリュックが過ごしたフィンランドのイメージをさらに掻き立ててくれるものだ。会期中、前田と本の編集に携わった編集者ユニット kukkameriのトークイベントも開催。2019年4月27日から東京ステーションギャラリーはじまる大規模回顧展「ルート・ブリュック」展よりも一足先に、ブリュックの世界と作品に出会える本展は見逃せない。

また、展覧会に向け、日々更新されている公式サイトもブリュックの作品をイメージした美しいウェブサイトになっている。こちらもぜひチェックしてみてほしい。End

「はじめまして、ルート・ブリュック」展

会期
2018年12月21日(金)−2019年1月26日(土)
12:00−19:00
※日曜・月曜、年末年始(12月28日−1月7日)は休廊
会場
Books and Modern + BlueSheep Gallery
〒107-0052 東京都港区赤坂9−5−26パレ乃木坂201
地下鉄千代田線「乃木坂駅」より徒歩1分、大江戸線「六本木駅」より徒歩5分

 トークイベント詳細

開催日時
2019年1月12日(土)17:00-18:30
2019年1月19日(土)17:00-18:30
※準備のため15:45−16:30は一旦閉めます。
概要
【1月12日】
本書の写真とアートディレクションを担当した前田景氏と本の編集に携わった編集者ユニット kukkameri(クッカメリ:フィンランドをこよなく愛する内山さつきと新谷麻佐子)の対談を開催します。

【1月19日】
1年のうち三分の一、いや半分近くを旅の空の下で過ごしている “旅する展覧会プロデューサー”草刈大介(ブルーシープ)が、本書の製作経緯と、2019年4月27日から東京ステーションギャラリーではじまる「ルート・ブリュック展」開催実現までのバックストーリーを語ります。

参加費
1500円
ドリンク付き/Books and Modern オリジナルスペシャルティコーヒー、紅茶
申し込み
https://shop.booksandmodern.com/