NEWS | サイエンス
2018.12.21 14:13
欧州宇宙機関(ESA)は、ヨーロッパ最大の探査車のフィールドテストをモロッコのサハラ砂漠で実施した。
これは、EUの「ホライズン2020」プログラムで助成した、宇宙ロボット技術に関する戦略的研究クラスターの第1フェーズの最後を飾るものだという。
同地を火星と見立てて、2週間にわたり3台の探査車と40人以上のエンジニアが参加、最大で5つの異なるサイトで自動ナビゲーションシステムをテストした。
ESAのオートメーション&ロボティクス部門責任者 Gianfranco Visentinは、「こうしたフィールドテストは、私たちが想定しうるもっとも過酷な環境でも設計がうまく機能することを試すものです」は説明している。
「ラボテストでは、私たちが設計したハードウェアも、空の光、地形、砂と岩石の質感と色など、自然の変化まで考慮することはできません。屋外で操作することで、これまで以上に複雑で精緻な設定での動作を試験できます」。
また同氏は、「たとえばこのフィールドテストから、大きな砂丘でも非常に滑らかで均質な場所では、ナビゲート用のコンピュータビジョンアルゴリズムがうまく機能しないことがわかりました。違いを判断して特徴を特定するわけですから、これまで見たことがない予想外の行動を取り始めました」と述べている。
今回テストを行った「PERASPERA Ad Astra」プロジェクトは、今回のテストをもとに次のフェーズに移行する予定で、2023年ごろに軌道上ロボットを使った宇宙ミッションを実施するそうだ。