液体と気体がぶつかるとき 原子の配列はどうなるのか?
数学者がシンプルな解法を発見

液体と気体が接触するとき、この界面では原子の配列はどうなるのだろうか。この点に着目した研究インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)から発表された。

物質が固体状態にあるとき、その原子は網状やシート状、格子状のような非常に均一なパターンで配列される。つまり、1つの原子の位置がわかれば、隣接するすべての原子の位置もわかるということだ。

一方、2つの物質が接触する界面では複雑な相互作用が生じ、原子の配列を予測するのは困難だとされる。液体や気体では、原子の配列は物質の体積全体のなかで非常にさまざまなのだ。

研究を発表した数学科のAndrew Parry教授は、「一杯の水を想像すると、空気と接触している水面の上層は、その下の水とは異なる動きをします。表面張力があるからです。コップを叩いたりして表面が乱れると、波紋が表面の水原子のパターンを変化させるのです」と説明している。

この現象は従来、「ドラムスキン(太鼓の皮)」のようなものだと考えられてきた。しかし、同氏によれば、これは原子の動きをマクロのシミュレーションと計算でとらえたもので、スケールダウンされたドラムスキンでは期待されていた動きはしないそうだ。

今後は、このような類推に頼らず、表面が乱れたときにできた波紋のデータや、原子が局所的に密集する仕方を組み合わせることで、原子が他の原子との関係でどのように配列するかを明らかにできるようになるそうだ。End