NEWS | サイエンス
2018.12.12 13:59
Deep Carbon Observatoryの科学者たちは、圧力、温度、低エネルギー、養分可給性などの極限下にある深部地下に、どれぐらい、どんな生物が存在するかなど、いくつかの発見について報告した。
同チームは海底を2.5km掘削したり、深さ5km以上の陸地にある鉱山やボーリング孔から微生物をサンプリングすることで、地球深部の生態系モデルを調査・研究。
それにより、深部の生物圏には「地下のガラパゴス」というべき世界が広がっており、そこには生物分類における細菌、古細菌、真核生物の3つのドメインが存在することがわかった。
また、地球深部では細菌と古細菌の2種類の微生物が支配的だとしている。その中には何百万もの種類があるが、まだ発見や特徴づけには至っていないという。これはいわば微生物の「暗黒物質」であり、生命の木についての私たちの考えを劇的に広げるものだ。
地下生物を研究する科学者たちは、地球の細菌と古細菌の約70%は地中に存在するとしている。ちなみに、わずかに生き残った「ゾンビ」バクテリアや他の生物が地球の地下深くにある膨大な量の炭素となっており、この量は地表の全人類を合わせた炭素量の約245~385倍もあるそうだ。
こうした地球深部の生物の存在により、他の惑星の地下にも微生物が生息する可能性があると科学者たちは考えている。