東京ビジネスデザインアワードは、東京都が主催し公益財団法人日本デザイン振興会が企画・運営をおこなう、都内のものづくり中小企業とデザイナーとの協業による新事業創出を目的としたデザインコンペ。
第7回目となる本年度は、各社の持つ技術・素材など9件の「テーマ」に対し全国のデザイナーから全126件の提案が寄せられ、審査会による一次審査、テーマを提供した企業も交えての二次審査を経て8件のテーマ賞が選出された。今後、企業と受賞デザイナーが実現化へ向けて取り組んでいく。
8件のテーマ賞は次の通り。
着脱のしやすさと密着強度を兼ね揃えた「ファスニング技術」
株式会社エージーリミテッド(港区)
- 簡単に付け外しできるファスニング技術を応用した、
インテリアとしても楽しめる知育玩具
德田周太(プロダクトデザイナー)
“平切子”と“サンドブラスト”を掛け合わせた「特殊硝子加工技術」
GLASS-LAB(江東区)
- 特殊硝子加工技術で表現する体験型プロダクト
水島由季菜(プランナー/凸版印刷株式会社)、清水大輔(デザイナー/SHIMIZUDESIGN)
ワックス(ロウ)のブレンドにこだわった「キャンドル製造技術」
東洋工業株式会社(江東区)
- 灯りと香りで想いを伝えるアロマキャンドルプロダクト
中村知美(グラフィックデザイナー / LURA Design Studio)
多種多様なものづくりを自社内で可能とする「プラスチック加工設備・技術」
株式会社ラヤマパック(葛飾区)
- プラスチック加工設備・技術を活かした、新サービスとプロダクトの提案
岩沢 仁、岩沢 卓、岩沢英里(デザジナー、プランナー/岩沢兄弟「有限会社バッタネイション」)
伝統的な染技法“東京本染(注染)”による「両面染色技術」
東京和晒株式会社(葛飾区)
- 伝統的文様のアーカイブを活用した「手ぬぐいリノベーションプロジェクト」
清水 覚(プランナー)
透明樹脂素材を立体的かつ本物の金属に見せる「立体視・金属調印刷」
株式会社技光堂(板橋区)
- 「立体視・金属調印刷物」を唯一無二の素材にするための事業提案
今井裕平、林 雄三、木村美智子、鈴木杏奈(フラッグシップデザイナー/kenma inc.)
金属の表面にデザインを付加する「彫刻・エッチング技術」
株式会社特殊阿部製版所(江東区)
- 産業技術が生み出す新たな伝統工芸「金切子」
清水 覚(プランナー、デザイナー)、大上倫太郎(デザイナー)、あべしょうへい(アドバイザー)
精油の魅力を引き出す「アロマブレンド技術」
GRASSE TOKYO(グラーストウキョウ)株式会社(江東区)
- 香りの魅力を楽しく学ぶプロダクトの提案
清水 覚(プランナー)、山根 準(プランナー)、山根芽衣(イラストレーター)、安次嶺彩香(デザイナー)
テーマ賞受賞結果、詳細はこちらから。
今回テーマ賞を受賞した提案8件は、来年1月31日に一般公開で実施される提案最終審査に進み、受賞デザイナーがプレゼンテーションを行う。当日に最優秀賞(1件・賞金100万円)、優秀賞(2件・各20万円)の結果発表・表彰式が行われる。
2012年度の開始以来、マッチングした企業とデザイナーによる提案実現事例も増え、販売商品が国内市場はもとより海外でも好評を博す成功事例が増えているのも本アワードの特徴だ。AXISでは実現化した企業とデザイナーにインタビューし、それぞれの取り組みのなかで生じた課題をどのように乗り越えてきたかを記事にしている(下記リンクより)。
製品のデザインだけではなく、テーマ企業の技術を最大限まで使い切るような用途開発、新しい基軸となる事業をデザインの視点から構築していく「ビジネスデザイン」に注目だ。
一般に公開される提案最終審査では試作品展示も一部予定している。観覧申し込みの方法は下記の通り。
2018年度東京ビジネスデザインアワード
提案最終審査 – TOKYO DESIGN PRESENTATION –
- 日時
- 2019年1月31日(木) 14:00〜17:00(開場13:30)
- 会場
- 東京ミッドタウン・カンファレンス Room7
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー4F) - 定員
- 80名(先着順)
- 参加費
- 無料
- お申し込み
- ご連絡先(企業名、部署、役職、お名前)と出席人数を、メールにて東京ビジネスデザインアワード事務局までご連絡ください。