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2018.12.10 16:21
マサチューセッツ工科大学(MIT)のエンジニアは、ソーラーパワーや風力などの再生可能エネルギーを貯蔵し、そのエネルギーを必要に応じて送電網に送るシステムの概念設計を発表した。
太陽が昇っているときや風が強いときだけでなく、いつでも小都市に電力を供給するもので、ソーラーパワーや風力の余剰電力で生成した熱を、白熱溶融シリコンで満たした大型タンクに蓄え、必要なときに白熱金属から光を電気に変換するものだという。
再生可能エネルギーの貯蔵方法としてはリチウムイオン電池があるが、高価とされており、今回の方法がより安価と想定。また、もっとも低コストとされる揚水式発電の半分のコストで済むと試算している。
この貯蔵システムは、集中型太陽光発電という再生可能エネルギーの高効率化プロジェクトが出発点。この方法は、ソーラーパネルで光を直接電気に変換する従来の太陽光発電所とはちがい、巨大な鏡を並べた広大な敷地が必要で、そこから太陽光を中央棟に集中させて熱に変換、さらに電気に変えることになる。
この発電所では、溶融塩で満たした大型タンクに太陽熱を蓄える場合、およそ華氏1,000度の高温に上昇するが、塩をそれ以上加熱すると、ステンレス鋼タンクを腐食させてしまう。そこで、高温でも熱を蓄えられるシリコンを選択。これにより、華氏4000度以上の超高温にも耐えられるそうだ。