建築設計事務所 スノヘッタが手がけた「HouseZero」
既存の建物の非効率なエネルギー問題に取り組む

オスロとニューヨークに拠点を置く建築設計事務所 スノヘッタ(Snøhetta)は、ハーバード大学デザイン大学院Harvard Center for Green Buildings and Citiesの新たな本部「HouseZero」を完成させた。

これは、イギリス・ケンブリッジに1940年以前に建てられた建物を改装したもの。彼らは「HouseZero」でエネルギー効率の悪い既存の建物という世界規模の問題に取り組み、建物の改装などに使われた以上のエネルギーを長期間生み出すことを目指している。

アメリカ国内の1億1360万世帯の不動産所有者は、冷暖房、給電に年間2300億ドル以上を費やしているという。これに対し、HouseZeroは、冷暖房に必要なエネルギーはほぼゼロ(空調システムはなし)、100%自然換気、100%採光(昼間の電灯なし)、炭素排出ゼロという性能目標を達成。

屋内には285個のセンサーを埋め込み、毎日約1700万のデータポイントを収集。居住者の快適な温度目標を実現するために季節ごとにはもちろん、さらには日々の調整が行われる。

このデータインフラをもとに即座に建物自体が自己調整を行い、屋外の気温や雨天、屋内のCO2レベル、気温など内外の変化に反応してくれる。難しく思われていた既存の建築でのエネルギー効率の改善を大きく推し進める事例になるかもしれない。End