NEWS | 建築
2018.12.04 13:32
2018年11月28日(水)から11月30日(金)まで開催されたWorld Architecture Festival 2018において、World Building of the Year 2018にシンガポールのWOHA ArchitectsによるKampung Admiraltyが選ばれた。
同建築はシンガポール初の統合公共開発で、公共施設と事業が一体化したもの。これまでは政府機関が土地計画を立案し、個々の建物を生み出してきた。このワンストップ型複合施設は、限られた土地を最大限に活用し、高齢者のニーズに合わせたモデルになるという。
敷地0.9ヘクタール、高さ制限45mの厳しい立地条件のなかで、スキームは層状の「クラブサンドイッチ」式アプローチを採用。低層階に市民広場、中層階に医療センター、高層階にコミュニティパークと高齢者向けワンルームマンションを備えた「垂直村」を構想。
層を3つに分けることでさまざまなビル用途を提示、クロスプログラミングの可能性を育み、活動発案者向けに地階を開放する。医療、社会、商業、その他のアメニティを近づけることで、世代間の結びつきをサポートし、アクティブなシニアライフの促進を目指す。
居住者は積極的に集まり、ビルの上に作られた親密さあふれる緑のコミュニティパークで運動やおしゃべりが楽しめ、コミュニティ農場も作ることができる。高齢のシングルやカップルのために、2棟・11階建てブロックに104戸のワンルームマンションを建設。共通エントランスにある「バディベンチ (Buddy benches) 」は、高齢者が部屋を出て近隣の人と交流するように促してくれる。住居ユニットはユニバーサルデザインの原則を採用し、自然な換気と最適な日光に配慮している。