超ナノ結晶質ダイヤモンドコーティングは滑らかでない!?
ピッツバーグ大学の研究チームが調査結果を発表

ピッツバーグ大学スワンソン・スクール・オブ・エンジニアリングの研究チームは、硬質で滑らかな性質を示すとされる超ナノ結晶質ダイヤモンドコーティングを測定し、これまでに考えられていたよりもはるかに粗いことを突き止めた。

「表面の粗さはその平均傾斜、つまりどれほど急勾配かが重要な尺度の1つとなります」と同校で機械工学と材料科学を教えるTevis Jacobs准教授は説明する。「ナノダイヤモンドフィルムの表面は、使用する規模に応じて大きく異なることがわかったのです」。

同氏によれば、ナノダイヤモンドの表面は滑らかで、自分の顔が映るほどだが、最小規模まで含めたすべての測定値から、この滑らかな素材の平均傾斜を50度と断定。これは、人間の歩幅のスケールで測定したオーストリア・アルプスの39度よりも急勾配になるそうだ。

「表面の粗さが表面特性に影響することは100年前から知られていました。しかし、その影響を数量化できずにいました。たとえば、バイオメディカルでは、粗さが細胞接着を促進するのか減少させるのか、異なる調査から反対の結論に達している状況です」と同氏は語る。

この研究結果から、顕微鏡手術やエンジン、居住用衛星や宇宙船までさまざまな環境で使用される素材の表面特性に対して、表面の形状がどのように影響を与えるかがわかりやすくなると想定している。End