HaysomWardMiller Architectsが設計した「Lochside House」
2018 RIBA House of the Yearを獲得

▲© Richard Fraser

RIBA(Royal Institute of British Architects)は2018年11月28日(水)、2018 RIBA House of the Yearに、イギリスの建築設計事務所 HaysomWardMiller Architectsが設計した「Lochside House」を選出したと発表した。

スコットランドのハイランド地方西部に完成した同建築は、非常にエネルギー効率の良い構造で、構造断熱パネルを使用したプレハブ工法により、材料の輸送を最小限に抑えている。スコットランドのカラマツを外装に使用、日本の伝統的な焼杉の手法を取り入れ、豊かな色合いと耐久性の向上を実現している。

▲© Richard Fraser

家屋は完全なオフグリッドで、独自の給水、下水処理、発電システムを備え、電力消費を最小限にカットする設計だ。

モジュラー式の家屋で、3つのシンプルな勾配屋根で構成。見た目の大きさや屋根の高さを抑え、各区画を分離することで、不要時は暖房も使わずにすませられる構造になっている。また、その土地にある既存の建物を模倣してはいないが、スコットランドの伝統的な小作人の家や農家の建物と同じように、同地の石や木材やシンプルな形を無駄なく活用。

▲© Richard Fraser

▲© Richard Fraser

「室内では空間がアートコレクションと一体になっており、圧倒的な快適さや暖かみ、心地よさが感じられます。これは、人々が求めインスピレーションを受ける、謙虚で、しっかりとし、土地の文脈に合わせながらも力強さのある建築の好例といえるでしょう」とロンドンの建築設計事務所 Takero Shimazaki Architectsを主宰する島崎威郎・RIBA審査委員長は評している。End