建築家 Gabriel Kozlowski
ブラジルの農法から着想した
ドバイ万博ブラジル館のデザイン案を公開

ボストンに拠点を置くブラジル人建築家 Gabriel Kozlowskiは、2020年に開催されるドバイ国際博覧会のブラジル館デザイン案を公開した。

同案は、藁の上に直接栽培する方法を改良した、ブラジルの優れた農法から着想を得たもの。この農法では、土壌を保護し、栽培に最適な熱環境を維持できるという。コンセプトとして、土壌、藁の絡み合いによる保護、生産性という層が重なった設計で、この建築を通じてブラジル人の進歩の象徴的なイメージを表現している。

1970年の大阪万博のパウロ・メンデス・ダ・ロシャ、1958年のブリュッセル万博のセルジオ・ベルナルデスの偉大な作品を参考にしつつ、万国博における豊かなブラジルの伝統を反映。


同建築は、建設と性能の両方で、サステナビリティの技術的進歩にもとづくもの。炭素を排出するのではなく封じ込める再生可能材の積層材を構造に使用し、生産エネルギーと熱吸収を低減させる鉄筋コンクリートを混ぜた版築を用いることで、造形能力を突き詰めている。

同館自体でエネルギーを生産し、水もリサイクル。オープンなファサードから入るたえまない風と、流水や日陰の植物の湿り気を組み合わせることで、空調が不要になる仕組みだ。

1階はオープンスペースで、その上に逆さになった図形の屋根が浮かんでいる。エントランスの通路には、主な6つのブラジルの生物群系を表す6つの壁を設置。在来種の種を含んだオブジェを囲むことで、色と肌理からブラジル建国の歴史を手触りで物語っている。End