ウプサラ大学の研究者がディキノドン類の新種を発見
三畳紀に存在した巨大な哺乳動物の祖先

▲Source : Tomasz Sulej

スウェーデン・ウプサラ大学の研究者たちは、ポーランドの研究者と共同で、巨大なディキノドン類の新種を発見したと発表した。

地球はおよそ45億年の間に、さまざまな地質時代や劇的な変化を経験してきた。約2億5200万~2億100万年前の三畳紀には、地球上のすべての大陸が合体し、パンゲア大陸を形成。この時代の最初の恐竜は、ワニ、哺乳動物、翼竜、カメ、カエル、トカゲの祖先とされる。

▲Photography by Grzegorz Niedzwiedzki

近年、科学者たちはこれとは別の種類の動物「獣弓類(Therapsids)」に注目しているという。これは哺乳類に似た爬虫類で、今日発見されているヒトを含む哺乳動物の祖先。この獣弓類の1グループがディキノドン類と呼ばれるもので、草食で小さな掘穴動物から大型の牛ぐらいの大きさ、そのほとんどは歯がなかった。

その前のペルム紀の大量絶滅を生き延び、三畳紀中期・後期における主要な陸上草食動物となり、恐竜が陸上の四足獣のなかで支配的になる前に死滅したと考えられている。

▲Photography by Krystian Balanda

今回、ポーランドのリソビツェ(Lisowice)村で新種のディキノドン類の化石を発見。この種は、村の名前と、重要な解剖学的発見で知られるドイツの比較解剖学者 Bojanusにちなんで「リソビチア・ボジャニ(Lisowicia bojani)」と命名。

調査結果によると、全長約4.5m、高さ2.6m、重量約9トン、象ぐらいの大きさで、これまでに発見されたディキノドン類より40%ほど大きい。存在が知られていない新種の発見は非常に貴重なのだそうだ。End