赤ワイン用ブドウ品種「マスカット・ベーリーA」のゲノムが解読
サントリーワインインターナショナルなどの共同研究で

サントリーワインインターナショナルは、ブドウ品種「マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)」のゲノム解読に成功したと発表した。これは、同社とサントリーグローバルイノベーションセンターサントリーシステムテクノロジー岩の原葡萄園との共同研究によるもの。

同品種は、岩の原葡萄園の創業者・川上善兵衛が1927年にベーリー種とマスカット・ハンブルグ種との交配により作出。そのワインは、イチゴのような果実香や滑らかなふくらみのあるタンニン味が特徴だ。91年を経過した現在では、赤ワイン用品種として国内で最も多く栽培。

これまで、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのブドウ品種はゲノム解読済みだが、マスカット・ベーリーAはまだ成功していなかったという。

湿潤多雨な日本の気象条件下でも良好に生育できる環境適応性や、香味特徴の発現を遺伝子レベルで理解するためにゲノム解読とその解析に取り組み、川上善兵衛の生誕150年にあたる2018年に解読に成功。

日本で90年を超える栽培実績をもつ環境適応性と耐病性との関係を明らかにすることにより、耐病性の高いブドウ品種の研究や、より美味しいワインづくりにつながることが期待されている。End