NEWS | サイエンス
2018.11.13 14:39
マサチューセッツ大学アマースト校は、同校の材料科学者たちがウェアラブルデバイス用バッテリに代わる繊維を開発したと発表した。
ヘルスモニタリング用ウェアラブルバイオセンサーの開発をはばむ主な要因は、軽量で長持ちする電源がないこととされている。材料科学者Trisha L. Andrewの主導で開発されたのが、衣服に簡単に付けられる蓄電システム。これにより、「あらゆる衣服に蓄電パターンを刺繍する」ことができるという。
この新方法では、「マイクロスーパーキャパシタ(micro-supercapacitor)」と呼ばれる蓄電量が著しく高められたコンデンサを使用し、蒸気コーティングされた導電性糸にポリマーフィルムを加え、さらに特別な縫製技術を組み合わせることで、繊維の裏地に柔軟性のある整列電極のメッシュを作成。
そこで得られたソリッドステートデバイスは、大きさの割に蓄電能力が高くなり、その他の特性からもウェアラブルバイオセンサーへの電力供給が高められるそうだ。
Andrew氏によると、他の研究者はさまざまな超小型の電子回路を作り出しているが、これまでは蓄電デバイス向けのものはなかった。「この論文では、実験室で作成した蒸気コーティングの糸を使用することで、文字通り蓄電パターンをあらゆる衣服に刺繍できることを明らかにしています。これにより、電源内蔵型のスマート衣服に電子回路を簡単に縫いつけることができます」と同氏は述べている。