オゾン層は破壊され続けている!?
NASAが南極のオゾンホールの現状を発表

▲Credits: NASA Goddard/ Katy Mersmann

NOAA(アメリカ海洋大気庁)とNASAの科学者たちは、毎年9月に南極上空の大気中に形成されるオゾンホールが、2018年は平均的な大きさをわずかに上回ったと発表した。

今年の平均よりも低い南極成層圏の気温は、オゾン層が破壊される条件をつくった。しかし、オゾン層を破壊する化学物質のレベルが低下しており、オゾンホールが20年前と同じような大きさにはならなかったという。

「南極成層圏の塩素濃度のレベルは2000年のピーク時から約11%低下しています」と語るのは、メリーランド州グリーンベルトのNASAゴダード宇宙飛行センターの地球科学担当主任科学者、ポール・A・ニューマン氏。「2018年は気温が低いので、塩素濃度が2000年の水準まで達していれば、オゾンホールはもっと大きくなっていたでしょう。」

NASAによると、オゾンホールの年間平均面積は、2018年には883万平方マイル(約22.9平方キロメートル)に達し、アメリカの国土の約3倍に相当。NASAの過去40年間の衛星観測では13番目の大きさになる。国際条約であるモントリオール議定書にもとづき、世界各国は1987年からオゾン層破壊物質の使用を段階的に禁止している。

それでも現在のオゾンホールの面積は、南極上空のオゾン層破壊が最初に確認された1980年代に比べても依然として大きく、人間の手による大気中のオゾン層破壊物質は2000年まで増加。それ以来、この物質は徐々に減少したが、高止まりしてかなりのオゾンが失われている状況だ。End