NEWS | ソーシャル
2018.11.06 11:05
京都大学こころの未来研究センター・内田由紀子准教授らの研究グループは、日本の特徴とされる「協調性」が、非農家も含めて農業地域全体で高いことを、西日本の408集落7295名への調査から解明し、その原因の一端が農業地域における「地域活動」への高い参加率にあることを実証したと発表した。
日本では他者の評価を気にかけたり、調和を重視するような「相互協調性」が高いとされるが、その主なルーツが「農業に従事すること」にあるのか「農業地域に暮らすこと」にあるのかは不明だった。
そこで、西日本から農業地域、漁業地域、それ以外の地域からサンプリングされた408集落を対象にした住民調査を実施。その結果、協調性は、農業地域全体(非農業者を含む)でそのほかの地域よりも高いという傾向が見られたという。
また、農業地域全体でなぜ協調性が高くなるのかを検討したところ、農業地域ではほかの地域よりもお祭り・自治会活動・冠婚葬祭などの「地域活動」の参加率が高いために、協調性が促進されることがわかった。
これまでは主に国際比較が行われてきたが、本研究分野における地域比較の有効性の証左としての波及効果が見込まれている。