デザイナー・KXIVによるプロジェクト「VOXEL HARVEST」
カスタム製品を3Dプリンタで実現するための新しい製造プラットフォーム

建築やフットウェアを手がけるデザイナー・KXIVは、シンガポール工科設計大学と共同で、プロジェクト「VOXEL HARVEST」を発表した。これは、多分野にわたるデザイン・コラボレーションをサポートするための新しい製造プラットフォームのこと。

モデルライブラリ、スキャンデータ、生成アルゴリズムを共通のデザイン・製造プラットフォーム内で調和させることで、以前は得られなかった種類のカスタム製品を3Dプリンタで実現。デザインデータと医療データセットを組み合わせながら、これらの技術を医療用補正具のデザインに適用できるようにするものだ。

この方法で、スポーツ医学、義肢、バイオデバイス、そして最終的にはヘルスケア提供と人間のパフォーマンスまで、さまざまな重要な分野の変革を目指している。

たとえば、高密度の構造であれば堅くて弾性率も高く、オープン構造であれば容易に変形し、元の形状にゆっくりと戻る。また、グリッド構造ならグリッドに対して垂直となる軸に沿った動きを減少させ、円形構造はパターンサイズによってすべての方向に動きを調節するなど、材料内に複雑なミクロ構造を埋め込むことで、形状がどこでどのように動くかをコントロールできるようにする。

テクスチャについては、体性感覚をコントロールするだけでなく、結露を吸収したり、断熱性を提供したり、熱伝達を可能にしたりと温度感知(人間による温度の知覚)を強化することも可能になるようだ。このプロジェクトは2018年度のRed Dot Design Awardも受賞している。End