明治大学・杉原厚吉特任教授が制作した「Triply Ambiguous Object」
世界錯覚コンテスト2018で優勝

明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)所長である杉原厚吉特任教授が制作した錯覚研究作品が、世界錯覚コンテスト2018(Best Illusion of the Year Contest 2018)において、最優秀一位を獲得し、優勝を飾った。

2005年より開催されている同コンテストでの杉原特任教授の優勝は、通算3回目の快挙となる(他に準優勝も2回獲得)。

優勝作品は「Triply Ambiguous Object」。この図形は、3つの視点から見ることで、3つの異なる解釈を生み出すもの。ネッカーの立方体やシュレーダーの階段など、これまでの曖昧な絵や図形のほとんどは、2つの解釈しか生じなかった。

この図形では、矩形構造の2Dの絵と旗を立てたポールからなる。絵は水平に置かれるが、傾斜して見えるので、平行線のグループが垂直に見えることになる。そして、さまざまな方向に縮まることで、3つの異なる構造が認識される。旗のついたポールは重力の方向を示しており、錯覚を強めている。

▲Triply Ambiguous Object

「2つの解釈を持つ曖昧図形はたくさん知られていましたが、3つの解釈を持つところが評価されたのだと思います。普通の絵に旗を立てただけの単純な構造なのに、このような不思議な知覚が生じることは、脳の働きを調べる新しい手がかりになると思います」と杉原氏は語っている。

▲「立体錯視」研究の解説動画
[日本語字幕] Optical Illusionist| Incredible Senseis at Meiji University #1

同コンテストの公式ページでは、他のファイナリストの作品動画も見ることができる。End