実用と美を融合した工芸作品「棗(なつめ)」に着目した特別展
東京国立近代美術館工芸館で2018年12月21日(金)から開催

東京・千代田区にある東京国立近代美術館工芸館では、2018年12月21日(金)から2019年2月11日(月・祝)まで、「所蔵作品展 近代工芸の名品[特集展示]棗(なつめ)にまつわるエトセトラ」が開催される。

「棗」は、茶道具のひとつで、抹茶を入れる木製漆塗の蓋物容器。そのかたちが、クロウメモドキ科の落葉高木・ナツメの実に似ていることからの呼称である。

もともとは、ナツメの実のかたちの茶器のみを意味していたが、侘び茶の発展とともに、塗り物茶器全般を指す言葉として定着。千利休の時代から実に様々な棗が生み出されてきた。

実用と美の融合という工芸ならではの難しさが多くの作り手を触発しつづけ、漆芸家・増村益城(ましき)をはじめとする近現代の工芸作家たちも、果敢に新たな棗の制作に取り組んでいる。

▲左:松田権六 《鴛鴦蒔絵棗》 1945年 東京国立近代美術館蔵
右:松田権六 《蒔絵松桜文棗》 1969年 東京国立近代美術館蔵

掌の中におさまる限られたサイズながら、無限とも思われるかたちのバリエーション、装飾の豊かさ、制約のなかにある愉しさなど、本展は作家の美意識を反映した近代棗の魅力を発見できるまたとない機会だ。End

所蔵作品展 近代工芸の名品
[特集展示]棗にまつわるエトセトラ

会期
2018年12月21日(金)~2019年2月11日(月・祝)
開館時間
10:00~17:00 ※入館時間は閉館30分前まで
休館日
月曜日(ただし12月24日、1月14日、2月11日は開館)、
および12月25日(火)、年末年始(12月28日(金)~2019年1月1日(火・祝))、1月15日(火)
会場
東京国立近代美術館工芸館
詳細
http://www.momat.go.jp/cg/exhibition/masterpiece2018/