NEWS | サイエンス
2018.10.19 12:56
2018年10月17日(水)に科学誌「ネイチャー(電子版)」によると、タンポポの種が現実の世界ではうまくいかないと思われた方法を使って飛んでいることを研究者が突き止めたと発表した。
動物や飛行機、種子が飛ぶとき、「渦」と呼ばれる循環する空気の環が、翼や翼に似た表面と接触して形成される。こうした渦は、動物や機械、種子を大気中に持ち上げる力を維持するものである。多くの昆虫は、翼や脚にフィルター状の構造を有しており、飛行や遊泳のために分離した渦を使用するのが比較的一般的であるという。
それに対してタンポポの種は、自転車の車輪のスポークのような中央の茎から放射状に出るフィラメントをもっており、これが飛行の鍵となる機能とされる。
研究者たちにとっては、カエデのような植物における羽状の種子とはちがって、タンポポの毛が逆立ったような種子が、空気中でどのようにとどまるのか不思議であった。そこで、タンポポの種を垂直風洞に入れて、レーザを使って粒子を照射し、種子の周囲の気流を可視化した。
すると、スポークを通って移動する空気と種子の周りを移動する空気との間の圧力差によって、渦の環が形成されることがわかった。といっても、実際の上記動画を見てみるのが一番わかりやすいだろう。さまざまな商品開発のヒントになるかもしれない。