NEWS | グラフィック
2018.10.09 15:35
グラフィックデザイナーや彫刻家として世界的に活躍する五十嵐威暢が、新たな著作の出版に向けて現在活動中だ。
今回、同氏が手がけるのは立体文字に関する著作「A to Z」。彼は1970年代半ばから立体文字を手がけており、雑誌の表紙やポスター、レコードジャケットにおいて大胆で彫刻のような字形を提案。コンピュータがデザイン業界に導入されるずっと以前より、洗練された立体文字の技術を披露してきた。
本書は、五十嵐のこうした成果を網羅的にまとめたもので、代表作のみならず、未発表の図案、スケッチ、色指定といったアーカイブ資料も収録。本人の発言に加え、グラフィック史から見たときに五十嵐の活動をどう捉えることができるかという論考も掲載される。
もっとも敬意を集めながらも、さらなる評価に値する20世紀のグラフィックデザイナーのひとりである同氏の集大成といえる一冊だ。
なお本書は、芸術関係の書籍を扱うイギリスの出版社Thames & Hudsonから2019年夏に刊行予定で、同社の出版プロジェクト「Volume」でファンドレイジングを行っている。5種類のファンドタイプがあり、国際配送が可能なので日本からの参加ももちろん可能。
たんに本を買うというよりも、五十嵐作品というグラフィックデザインの偉業に立ち会えるまたとない機会。本サイトでのインタビュー記事や、札幌芸術の森美術館で開催の「札幌美術展 五十嵐威暢の世界」展とともに、Volumeのサイトをぜひチェックしてほしい。
また、これに合わせて、東京・南麻布のdesignshopでは、2018年10月18日(木)から11月4(日)まで「五十嵐威暢と世界のコレクション展」が開催される。ここでも彼の名作の数々に出会えるだろう。
五十嵐威暢と世界のコレクション展
- 会期
- 2018年10月18日(木)~11月4日(日) 無料
- 時間
- 11:00~19:00 会期中無休
- 会場
- designshop
- 詳細
- https://www.designshop-jp.com/