nendoがフランスの磁器ブランド「セーヴル」とコラボ
”らしさ”をデザインした2作品を発表

佐藤オオキ率いるデザインオフィス・nendoは、約300年の歴史と伝統を誇るフランス王室御用達の磁器ブランド「セーヴル(Sèvres)」とコラボした2作品を発表した。

同工房には、これまでに手がけた作品の図面や石膏型、作品制作に使用するための道具までもが保管されている。その膨大なアーカイブから、カップやポットなどに使用された大量の「持ち手」に着目してできたのが「handle-flower」だ。様々なサイズや形状が存在するこの持ち手を使い、磁器製の花のオブジェをデザインした。

持ち手一つひとつを一枚の花びらに見立て、複数束ねるように接着することで花を表現。持ち手それぞれの特徴がそのまま花の個性になるように、花弁の数や間隔、角度などに調整した。一から形状を生み出すのではなく、セーヴルの歴史に存在する形を活用することで、新たな「セーヴルらしさ」を表現したいと考えたという。

もう一つの「Hasu」は、セーブル窯のためにデザインをしたローテーブル。職人の手による精巧な装飾表現がセーブル焼きの特徴であることから、ひとつの四角いテーブルが徐々に小さな円形テーブル群へと離散していき、さらにそれらが「蓮の葉」へと変質するようなデザインになっている。

平滑な人工物からテクスチャー豊かな自然物へのグラデーション状の変化によって、水の「浮遊感」と「流れ」を表すことを考え、小さなテーブルの配置を変えることによってこの「流れ」の速度や向きに変化をつけることもできる。End