NEWS | サイエンス
2018.09.12 16:38
ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学大学院(Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health)は、長期間にわたる成人を対象とする調査から得たデータを分析したところ、昼間に強い眠気を催す人がそうでない人の3倍も、後年アルツハイマー病の発症に影響があるとされる「アミロイドβタンパク質」の脳への沈着が多かったことを発表した。
先ごろ睡眠に関する学術誌「SLEEP」に報告されたこの発見は、睡眠不足が認知症を進行させる根拠のひとつとなりうるもので、夜間に十分な睡眠を取ることがアルツハイマー病の予防になることを示唆するものである。
「食習慣やエクササイズ、認知機能の強化などが、アルツハイマー病予防の可能性がある重要な要素として広く認識されてきましたが、睡眠はこれまであまり注目されていませんでした。しかし、今後は変わるかもしれません」と、調査を行った同大学院のAdam P. Spira博士は語っている。
アルツハイマー病の根本的な治療薬が見つかっていないので、今のところはいかに予防するかが大切になるだろう。実践可能な予防法がひとつでも増えれば、私たちの安心もさらに増えるにちがいない。