アウディがメキシコ工場で工場廃水100%再利用のプロセスを確立
車両生産における環境への影響を最小限に抑制

自動車メーカー・アウディ(Audi)は、アウディ・メキシコのサン ホセ チアパス(San José Chiapa)工場において、車両生産における廃水を100%回収して浄化し、大量の浄水を工場の給水システムに戻すという、新しい水処理プロセスを確立したことを発表した。

同工場で生成された廃水は、最初に化学/物理的処理を受け、水を中和し、粒子や重金属を除去。前処理されたこの水は、プラントから出た他の廃水とともに、有機成分を分解する生物学的廃水処理が施される。最後に、ふたつのろ過法を組合せて、細菌とアルカリを含む残りの汚染物質を分離する。

衛生的で高品質の再生水を工場で直接再利用し、生成した濃縮物は、水分を蒸発、乾燥させて固形物にして処分する。また、処理された水は、工場敷地内の緑地にも散水するそうだ。

この革新的なプロセスにより、工場の総必要量の約4分の1に相当する年間約10万㎥の水を節約、長期的には毎年30万㎥以上の地下水を節約する予定とのこと。

塗装工場から水漏れ試験に至るまで、車両生産の全工程で水が必要になるが、同社はこのプロセスにより、水資源の持続可能な利用を実現し、車両生産における環境への影響を最小限に抑えているという。End