NASAが極氷の高さの変化を測定する任務を開始
最新鋭のレーザーを搭載した衛星を打ち上げ

▲Credits: U.S. Air Force/Vanessa Valentine

NASAは2018年9月15日(土)、最新鋭のレーザーを搭載した衛星を宇宙に打ち上げ、地球の極氷の高さの変化をこれまで以上に詳しく測定する任務を開始する。

ICESat-2(Ice, Cloud and land Elevation Satellite-2)は、毎秒6万回の測定を実施し、グリーンランドと南極を覆う陸氷の年平均での高さの変化を測定。

この衛星は、氷の高さの変化を測定する上での大きな技術的飛躍を象徴している。最先端のレーザー高度計システム「ATLAS」は、個々の光子が衛星から地球に達し、戻ってくるまでの時間を計ることで高さを判明させるもの。

▲Credits: NASA/Adriana Manrique Gutierrez

毎年何千億トンもの陸氷が溶けたり、海洋に流れ込んでおり、世界中の海面上昇に関与している。近年、グリーンランドと南極の氷床から溶けだしたものだけで、世界の海面を年間1ミリメートル以上上昇させている。これは観測された海面上昇のおよそ3分の1を占め、その割合は増しているという。

▲ICESat-2 Adds the Third Dimension to Earth

ICESat-2のデータから現在進行中の氷床の高さの変化を記録することで、将来の海面上昇の予測における不確実性を少なくして、その変化を気候ドライバ(変動要因)に関係づけることになるだろう。End