ハーバード大学の3研究機関が折たたみ式多面体採取器を開発
折り紙をヒントに繊細な深海生物を捕獲&リリース

▲Credit: Wyss Institute at Harvard University

外洋は地球上で最も広く、かつ最も未調査の環境で、100万種にものぼる生物がまだ未解明とされている。しかし、こうした生物の多くは、クラゲやイカ、タコのように軟体で、既存の水中ツールでは損傷を与えてしまうことが多いため、研究用の捕獲が難しい。

そこで、ハーバード大学のヴィース研究所ジョン・A・ポールソン工学応用科学部、およびラドクリフ高等研究所は、折り紙からインスピレーションを受けた斬新な折りたたみ式の多面体のなかに、繊細な海洋生物を傷つけることなく捕らえ、リリースすることができる装置を開発した。

「私たちはまるで芸術作品であるかのように、こうした動物にアプローチします。「モナ・リザ」を研究するのに、この絵画を切り取ったりすることはあるでしょうか? いえ、私たちは、利用できる最も革新的なツールを使用するでしょう。これらの深海生物は、数千年も生きているものもあるわけですから、私たちがこれらと関わる時にはそれ相応の優しさをもって扱うべきなのです」と、論文共著者で海洋生物学者のデイビッド・グルーバー博士は述べている。End

▲Credit: Wyss Institute at Harvard University