アトリエ・天工人が提案する奄美大島のリゾート
「ネストアット奄美ビーチヴィラ」が完成

最適で革新的な「解」を追い求めるクリエイティブな設計集団のアトリエ・天工人は、本格的なリゾート施設が無かった奄美大島にグランドオープンした奄美らしさを追求したリゾート施設「ネストアット奄美ビーチヴィラ」の意匠設計を担当した。

そのコンセプトは、海と空、自然と人間、伝統と新しさなどのハザマ(間)をデザインすること。敷地は、南東に面した高低差25メートルの崖地で、緩やかに斜面を降りて奄美の昔ながらの美しい砂浜へ至る、プライベート感溢れる場所だ。

プール・ヴィラの形状は、奄美の伝統的な高倉や入母屋造の住宅、奄美に生息する貝の形を参考にしながら設計。外壁と屋根には、泥染めによって変色させたシルバーグレー色の板椎(イタジイ)を使用している。これは、伝統的な大島紬の製法を参考に、地域素材を生かしたものだ。

二室連携のヴィラは、同じ二つのプランを平面的、断面的にずらしながら合わせ、テラス部分で連結するプランも用意。レストラン棟は、二つの大きな屋根が重なり合い、ねじれ合い、跳ね出すことで重層的な空間を創出している。このような建築の形状や空間の重層性もこのコンセプトに由来するという。

建築家・山下保博が故郷の奄美にふさわしい建築を模索し、既存施設と競合しない規模・業態のリサーチ、形態スタディから素材開発に至るまで、奄美らしさを追求した結晶が形になった場所だ。End