今秋開催の「東京芸術祭2018」のラインナップが発表!
ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティによる野外公演も

今年で3年目を迎える豊島区池袋エリアの舞台芸術フェスティバル「東京芸術祭2018」のプログラムが発表された。総合ディレクターに演出家の宮城聰(みやぎさとし)氏を迎え、充実したプログラムを展開していく。

当イベントの直轄事業のひとつとしてイタリアを代表する演出家ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティによる『野外劇 三文オペラ』(会場:池袋西口公園)での野外公演など、さまざまなプログラムが計画されている。End

総合ディレクター・宮城 聰氏のコメント

 社会が、「自分たちが既得権層によって割を食っている」と不遇感を持っている多数と、その多数から見た既得権層の2つに分断されてしまった時、その社会は忌まわしい悲劇に呑み込まれる。これが我々が歴史から学んだことです。しかし今また人類がこの愚行を繰り返そうとしているとき、舞台芸術人として、微力ながらこの分断を縫合することを東京芸術祭を通じてできないだろうかと考えました。

 いま東京で劇場に通うことが趣味という人は、劇場に行かない多数の人から見れば、余裕のある、恵まれた人と映っていることでしょう。そしてその状況に気づかず作品をつくっている舞台人もまた、「既得権層」の側に属しているとみなされているわけです。この危機に対して、まず第一に、劇場を『開く』アクションをこの東京芸術祭を通じて起こしていきたいと思っています。そのシンボリックな事業として池袋西口公園での野外公演を行い、安価でハイクオリティな作品に触れてもらえる機会を創ります。

 その一方、『極める』として、世界の最高峰や最先端が東京に集まってくる、と実感してもらえる作品の上演も充実させていきます。

 3つ目ですが、2020年に向けて東京一極集中がいっそう加速するという恐れを日本中が感じています。それに対して、東京だけではなく日本全体が活性化する契機とすべく、東京と地域が『つながる』プログラムを行っていきます。

 この『開く』『極める』『つながる』の3つの柱でこれからの東京芸術祭を進める所存です。

東京芸術祭2018(Tokyo Festival 2018)

会期
2018年9月1日(土)―12月9日の計100日間
会場
東京芸術劇場、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、南池袋公園ほか
詳細
http://tokyo-festival.jp/news/1333/