革新的なデザインが特徴のフロスですが、今回はインドアとアウトドアのテクニカル照明に徹底的にフォーカスしていました。
ローマのヴィラをアイデアソースにして、ブースをデザインしたというヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンからは「住空間の中に中庭があるしつらえの様式をアイデアにデザインした。インドアとアウトドアが対話し、来場者がそのコントラストに気づきながら建築空間に必要な照明プロダクトを見つけてほしい」というメッセージがありました。アウトドア照明を紹介するブースの中央には植栽が敷き詰められ、実際の状況をイメージしやすくなっています。
注目すべきは、同社の技術を集積したスポットライトなどテクニカル照明のシステムを紹介するコーナー。今回出展メーカーの多くがスマートフォンやタブレットで照明をコントロールするシステムを採用していますが。フロスも独自のアプリケーション「フロス・スマート・コントロール」を開発していて、調光から器具の位置変えまでをワイヤレスで可能にしています。
スポットライトやシーリングライト、ライン状の照明器具を天井に取り付けるためレールなどにおいて、多様な取り組みが見られた今回の見本市。フロスはその中でもヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンやピエロ・リッソーニによる、デザインクオリティの高い、独自のレールシステムを発表しました。どちらも「フロス・スマート・コントロール」との連動を可能にし、技術とデザインのレベルの高さを感じました。
今年4月のミラノでは、生誕100年を迎えたアキッレ・カスティリオーニによる照明の特別復刻版や新作をリリースしたフロス。業界のトップを走り続け、常に注目を集めるメーカーですが、テクニカル照明とデザイン照明両方のクオリティをデザインによって革新していこうという強い信念が伝わってきました。
取材協力: 日本フロス
japan.flos.com