NEWS | 展覧会
2018.04.12 10:46
2018年4月25日(水)から銀座メゾンエルメスフォーラムにて、パリを拠点に制作を続けるアーティスト、ミルチャ・カントルの日本で初となる個展が開催される。1977年、ルーマニアに生まれたカントルは、私たちが生きる世界の複雑さや不確かさを、透明な距離や余白をもたらす独特の詩的な表現によって浮かび上がらせる表現で今注目を集めるアーティストだ。
日本では、ヨコハマトリエンナーレ2011やいちはらアート×ミックス2014等へも参加したほか、ポンピドゥー・センター(2012年、マルセル・デュシャン賞受賞展)、ニューヨーク・映像美術館(2012年)、チューリヒ美術館(2009年)等でも個展を開催している。
カントルは2005年に発表した映像作品《Deeparture》 で、真っ白なギャラリー空間に1対の鹿と狼を放ち、自然から隔絶された獣たちの不自然で危うい緊張関係を観察することで話題を呼んだ。
指紋によって描かれた有刺鉄線を思わせるドローイング《Chaplet》(2007年)や空き缶で作られたバラ窓のような彫刻《Rosace》 (2007年)など、簡素な素材やミニマルな身振りから、ミクロとマクロのレベルで行き来するさまざまな問いを浮かび上がらせる作品が特徴的だ。
当展では、銀座メゾンエルメスのガラスブロックの「透明性」に着想を得た新作も発表される。人々が透明なプラカードを持って行進する映像作品は、東京のさまざまなロケーションで撮影されたも。2003年にアルバニアで撮影された《The landscape is changing》 に連なる作品となっている。
先日お伝えした佐藤雅彦「My first me」展に続き、”個人の存在”を問いかける作品が今を物語っているのかもしれない。
「あなたの存在に対する形容詞」 ミルチャ・カントル展
- 会期
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2018年4月25日(水)~7月22日(日)
・月~土曜 11:00~20:00
・日曜 11:00~19:00 - 会場
- 銀座メゾンエルメスフォーラム
Googleマップで見る> - 詳細
- http://www.maisonhermes.jp/ginza/