アンビエンテック
トレンドは意識しない、自分たちが欲しいものをつくる

▲2017年スパッツィオ・ロッサーナ・オルランディでの「Torr」の展示。

今年のユーロルーチェにおいて、ミラノ市内のギャラリーシッョプ、スパッツィオ・ロッサーナ・オルランディで2015年に続いて、2回目の発表を行ったアンビエンテック。今回、多くのメーカーがコードレスの充電式照明を発表していましたが、アンビエンテックは数年前からこの分野で着実に実績を伸ばしてきました。代表の久野義憲さんに、照明メーカー立ち上げに至るまでのこと、コードレス照明の可能性などについてお話を聞きました。

▲水中照明機材のブランド RGBlueは、国内外のプロカメラマンやダイバーから高い人気を誇る。

アンビエンテックのルーツは、母体となるエーオーアイ・ジャパンの高い技術にあります。エーオーアイ・ジャパンは、水深100mでの撮影を可能にする防水技術や、自然光に近い光色の再現技術をもち、長時間の撮影に耐えうる充電式バッテリーなども開発してきました。それらは大手カメラメーカーの水中撮影用機材に採用され、独自にプロダイバー仕様の水中ライトの製造・販売も行っています。その蓄積してきた経験とノウハウを充分に活かして生まれたのが、コードレス照明のメーカー、アンビエンテックなのです。

▲左から「Bottled」「Torr」「Xtal」。すべてデザインはプロダクトデザイナー小関隆一さんが担当。。小関さんは2017年からアンビエンテックのアートディレクターを務める。

もともと照明が好きだったという久野さん。アンビエンテックをスタートするとき、「家電としてではなく、インテリアとしての照明をつくりたかった」と語ります。「そして本当につくりたいものなのかどうか」と自身に何度も問いかけたとも。

▲「Bottled」は、防水機能を搭載しており、アウトドア用としても人気が高い。

トレンドを意識したり、市場のニーズをマーケティングするのではなく、自分たちが欲しいものをつくるという考えに基づいた商品企画から、最初のプロダクト「Bottled(ボトルド)」が生まれました。その後、クリスタルを素材を前面に出した「Xtal(クリスタル)」、最新のプロダクトとして持ち運べる読書灯『Torr(トア)』を発表し、国内外から多くの注目を集めています。

▲アンビエンテック代表の久野義憲さん。

久野さんはブランド設立のきっかけは、「明かりをつくるための“新たなデバイス”であるLEDが主流になり、既存の照明メーカーとは違った、新たな照明の分野がつくれるのではないかと思ったから」だと言います。

▲アンビエンテックの本社ショールーム。横浜駅からすぐの場所にある︎。

「自分ならばこうするという意識を常に持ち、妥協することなく、嘘をつくことなく、製品をつくってきました。」という久野さんの言葉に、新たに企画中の製品への自信を感じました。End




取材協力 : 株式会社アンビエンテック  http://www.ambientec.co.jp/