以前この連載で紹介したチェコの照明メーカー、ブロッキス。今回のユーロルーチェでは、新作を数点発表していました。そのなかでも最初に目に飛び込んできたプロダクトが「マカロン(MACARON)」。フランス菓子で知られるマカロンのメレンゲからインスピレーションを得てデザインしたと語るのは、デザイナーでブロッキスのアートディレクター、ルーシィ・コルドヴァ。
光源部分を包むようにデザインされている台座は大理石で、上下の手吹きのガラスで挟まれる部分は天然石のオニキスでつくられています。
下部の大理石内の光源から、かすかに透過性のあるオニキスを通って、ほのかに光の溜まりが現れます。手吹きのガラスも、天然石も均一性がありません。この不規則性を特徴として、3つのサイズを提案。最も大きなものでφ540mmほどあり、強い存在感を打ち出しています。
そして、イタリアのデザインユニット、キアラモンテ・マリンによる「ノット(KNOT)」。吹きガラスの真ん中に、天然繊維のロープが通っていて、ガラスと異素材のコンビネーションでインパクトのあるプロダクトとなっています。
ガラスは、厚さにもよりますが、異質の素材と接触することによってその部分にかかるテンションが大きくなり、強度が下がります。ヒビが入ったり、割れたりする可能性が高い素材。大理石とガラスの「マカロン」、そしてロープとガラスの「ノット」、ともに異素材との結合を完成度の高いクオリティに仕上げている技術の高さに驚きます。
今回は、見本市会場フィエラのブースの他に、水回りのブランド、アガペ(Agape)の市内展示会場にもブロッキスの照明が展示され、空間のグレードを高めていました。さまざまなラグジュアリーブランドからスタイリングのアイテムとして、オファーが耐えないブロッキス。今回の新作の国内発売が待たれます。
取材協力 : (株) TISTOU https://www.tistou.jp/