ミラノサローネ / ユーロルーチェ2017
伝統工芸と家電技術とのコラボレーション
パナソニックデザイン「Electronics Meets Crafts」

ミラノ市内、イタリア国立ブレラ美術アカデミーを会場に、パナソニック株式会社 アプライアンス社のデザイナーと京都の伝統工芸の後継者たちのユニット GO ONによる展示がありました。

伝統工芸を「技」と「素材」にまでに解体し、新しいものづくりに挑戦しているGO ON 。今回の展示から、竹工芸の公長齋小菅と金網工芸の金網つじによるプロダクトを紹介します。

「竹コロ」と「月灯」とは“やたら編み”と呼ばれる不均一な竹編みの技によるランプシェードの照明シリーズ。

        ▲「竹コロ」

いずれも点灯したときに、温かみのある表情が出るよう、色温度が低めなLEDを採用しています。編み目がランダムなので均一なものよりもインパクトがあり、灯の透過の強弱が出て空間に個性を与えてくれます。

▲「月灯」

「月灯」はペンダント照明。視線にLEDの眩しさが入らないようアクリルの屈折効果を利用し、フロストのカバーが施され、月明かりのように光が拡散します。竹編みの内側に透明のアクリルがあり、ランプシェード内で光源のパワーが集約され、下面のカバーに反射する光が心地よく漏れてきます。アクリルのツヤ感も竹編みが抑えていて、緻密に計算されたようにも思える編み目です。

▲「網香炉」

「網香炉」は、バッテリーによる熱源と熱伝導性の低いチタンとの組み合わせからなる香炉。表面に金網つじによる菊の文様が編みこまれていて、厳かな空気が香りとともに漂ってきます。

        ▲「網香炉」

持ち上げると内部から光が漏れてきて、コードレスの小さな灯が食卓などを彩りそうです。いずれも高品質のプロトタイプで、商品化されれば現代のニーズにすぐに応えるアイテムになりそう。日本の伝統工芸と先端の家電技術を融合させるパナソニックデザインによる取り組みに、今後も大きく期待していきたいと思います。End

GO ON × Panasonic Design  http://panasonic.co.jp/design/goon/