ミラノサローネ / ユーロルーチェ2017
「妥協のないオリジナリティへの想い——ヴィアビズーノ」

▲市内ソルフェリーノ通りから入った一角にあるヴィアビズーノのミラノショールーム。その屋外スペースがメイン会場。

見本市会場や市内のデザインイベントに参加せずに独自の世界観を表現していた、イタリアの照明ブランドViabizzuno(ヴィアビズーノ)。市内にある自社スペースでのインスタレーションで、テーマは「Volume」。光の持つ魅力と可能性を360度の視点から建築家やデザイナーへと発信するという想いが込められているそう。敷地内に箱状の空間をいくつも設置し、それぞれに主張ある展示を行っていました。

▲「micromen」

注目すべきは、テクニカル照明の「micromen」。1モジュールが50×13 mmという極小幅のユニットで灯具が自在に可動できるシステム。1wの容量でも24vの定電圧なので明るく感じられ、高い演色性(自然光が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す指標)を実現しています。同社代表のマリオ・ナンニは「白熱電球と同等の演色性をLEDでも追求し、最高品質の光をつくることが前提」と言うとおり、技術に対しても妥協を許しません。

▲「sul sole va」

デザイン照明では、ネリ&フーによる「sul sole va」。3種の灯具に共通する皮のベルトに自社特許のケーブルコネクタを組み込んでいます。既成品に捉われることなく、新たな仕様を開発するには高度な技術が必要。また、社外デザイナーの起用についてナンニは「奇抜さや流行を意識してデザイナーを探すことはありません。あくまでもヴィアビズーノのスタイルをつくることが目的であり、そこには偉大であるか、若手であるかなど全く関係ありません」と語ります。

常に顧客の要望を聞き、空間を理解するという基本に立ったものづくり。そのシンプルな姿勢であるがゆえに、老舗ブランドの店舗での採用実績の高さや、著名建築家からの信頼の高さがあるのかもしれません。

「これからは、実力のある後進を育てて、自分がつくってきたものを伝えていくことがミッション」と語るナンニ。展示とともにあった、ミニファームとオリジナルワインについて聞くと「人生に必要なものは“光” “食” そして”恋をすること”。この3つからなる情熱がビジネスの成功につながる」と満面の笑みで答えてくれました。End

▲ヴィアビズーノ創業者のマリオ・ナンニ。