アップサイクルプロジェクト
「THROWBACK」が展覧会を開催

▲6月11日〜18日まで開催されている「産廃からはじまる創造/想像(そうぞう)展」。

産業廃棄物処理を行う株式会社ナカダイと、「東京R不動産」の運営でも知られ、建築/デザインを行う株式会社オープン・エーがアップサイクルプロジェクト「THROWBACK」をスタートさせた。

このプロジェクトは2社がそれぞれ培ってきたデザインおよびリユース・リサイクルのノウハウを活かし、様々なクリエイターやデザイナーとの協働によって生まれる、これまでにない新しいプロダクトの社会における継続的な流通を目指しているもの。

プロジェクトの記念すべきキックオフイベントとして、プロトタイプとして制作したプロダクトや、その素材となった廃棄物を展示する「産廃からはじまる創造/想像(そうぞう)展」が18日(日)まで日本橋にて開催中だ。

展示会場は主にプロトタイプに使われている素材の展示と、プロトタイプによって構成されたオフィス空間の実例を展示している2フロアに分かれている。素材の展示では消費・生活のなかで出る廃棄、輸送・貨物のなかで出る廃棄などそれぞれ廃棄される理由や背景にあるストーリーが感じることができる。


▲型抜き板の展示と、それを使用したプロトタイプ。インダストリアルな雰囲気が単純に格好いい。

アップサイクルの特徴は、廃棄されたものに手を加えることで新しく生み出される価値の高さにある。例えば廃校などの理由で廃棄される楽器や跳び箱はプロジェクトを通して照明やテーブルに生まれ変わり、元々の用途を覆すような使い方の提案によってなんとも言えない可笑しみを見るものに感じさせる。

▲楽器は例えば照明に生まれ変わる。電球がドラムの金属に反射してきらめく様子は美しい。

▲カフェなどの商業施設で使用するのにも適したインパクトのある家具に様変わり。

そういった新しいプロダクトが「アート作品」として見出されるのみでなく、オフィスや公共の場などを彩る選択肢として自然に取り入れられることが重要であり、それがアップサイクルから生まれたプロダクトの今後の流通を決めるのだろう。

廃棄物という概念を無くす活動を続けている株式会社ナカダイと、建築のリノベーションで新たな価値を創造している株式会社オープン・エーは両者とも既存のものに新たな価値を与え、世の中に送り出してきた。今後はプロジェクトのコンセプトに賛同する企業や組織との連携も図り、さらに大きなムーブメントを目指していくという。

素材としては身近に接しているものがプロダクトとしてどういう可能性を秘めているのか。クリエイターやデザイナーの視点を通して暮らしと切り離すことのできない産廃が積極的に空間に取り入れられていく、そんな循環型の未来を十分に予感させる展示だ。

産廃からはじまる創造/想像(そうぞう)展

会期
2017年6月11日(日)〜18日(日)平日12:99-19:00 土日10:00-18:00
会場
東京都中央区日本橋馬喰町2-7-15 ザパークレックス日本橋馬喰町4F・7F
入場料
無料
主催
株式会社ナカダイ、株式会社オープン・エー
協力
株式会社三菱地所レジデンス Re ビル事業部
現在 プロダクト開発に携われる職人・デザイナー・クリエイターや企業など募集中。
問い合わせ
info@throwback.jp