ミラノサローネ / ユーロルーチェ 2017
「チェコのガラスメーカー LASVITの技術——YAKISUGI」

LASVIT (ラスヴィット)は、ボヘミアンガラスの伝統が息づくチェコに、2007年に設立された照明をはじめとするガラス製品のメーカー。これまで、国内外の多くの建築家やデザイナーたちと商品開発を行ってきています。今回は、建築家の隈 研吾さんがデザインした「YAKISUGI」コレクションを発表しました。

“焼杉”は、表面をあらかじめ焼くことによって耐火性および耐久性を強めた建材のひとつで、昔から多くの建造物の外壁に使われてきました。この日本の伝統的な技術に着目したプロジェクトです。

ガラス製造では、1,000度以上の高温で成形していきます。その工程でこの焼杉とガラスを接触させることで、ふたつとない複雑な杉材のテクスチャがガラスの表面に現れます。点灯するとガラスの表面にその模様が浮き上がって見え、照明を通して焼杉の存在が目に飛び込んできます。

今回のアイデアの原点は、ガラスと杉、両素材の特性の探求からスタートしています。どちらも、歴史ある伝統技術であることから、そのふたつを掛け合わせるためには経験と高度な技術を必要としました。

ボヘミアンガラスの伝統をベースに、第一線で活躍する建築家やプロダクトデザイナーたちとのコラボレーションにより、ガラスの可能性と技術の向上を追求しているところに、ラスヴィットの新たな領域へ挑戦する勢いを感じました。

このYAKISUGI も難易度の高い技術を施していながら、シンプルで現代的な完成形となっています。大小2種類のバリエーション 、LEDも温かみのある2700k程度のものを採用していて、木を主体とした住空間などに設置されるところを見てみたいと強く思いました。