第40回
「最高のパノラマで環境学習を」

「限りある埋立空間大切に」。
ここは東京都の埋め立て処分場です。場所はお台場から車で5分程度の東京湾です。

奥に臨海副都心、スカイツリーまで見えます。
公益財団法人 東京都環境公社は、東京都の廃棄物最終処分の現状や環境問題に対する理解を深めてもらうため、環境関連施設の見学会を行っています。しかも、無料で。私の知る限り、これほど身近に、物理的に近い距離に埋め立て処分場が存在する県はありません。埋め立て処分場以外に、焼却場や東京都の誘致したスーパーエコタウンの見学会も無料で行われています。

東京湾の埋め立て容積は、今のゴミの発生が継続したと仮定すると残り50年。それ以上は、貿易を含めた航路の関係で増やすことができません。島国である日本にとって、埋め立て処分場の確保が大きな課題です。また、周りを海に囲まれていることもあり、そのゴミを通過した雨水などの水処理も適正に行わなければなりません。

生活ごみを焼却した灰を海に埋めているにもかかわらず、東京湾の魚を私たちは食べています。粗大ごみを破砕したゴミが突然浮いてきたというニュースも聞きません。私たちの生活のためにつくった人工物を処理する技術は、確立していると考えていいのでしょうか? 現在の処理技術は、本当に無害化できていて、将来、私たちの生活に害はないのでしょうか?

東京オリンピックに向けて大規模開発が進むお台場、その奥に広がる埋め立て処分場、ともに東京です。一度、訪れてみてください。先ほどまでの高層ビルが嘘のような大パノラマです。私は東京オリンピックを楽しみにしています。本当に楽しみだからこそ、地球と相談する必要があると思います。少しでもモノの延命を図ることは、やはり、私たちの責務だと思います。東京オリンピックで発生したゴミを、少しでも減らすチャレンジをしなくてはなりません。