NEWS | 建築
2016.10.27 16:21
『パリ・エコと減災の街』
竹原あき子 著(緑風出版 2,500円+税)
パリ郊外のモダンな公営住宅は移民や低所得層で占められ、「火薬庫」と呼ばれている。この社会矛盾を克服するため、貧しい人とそうでない人が同じアパートに住めば暴動もテロも減るだろう。そんな思想で、地域や住宅での社会的混在を目指すミキシテ・ソシアル政策が進められてきた。
2001年、パリにドラノエ市長が誕生すると、パリは大規模開発から環境重視へと舵をきる。中心部での低所得者向け住宅の建設や、自転車が走る職住接近のエコの街、街角の空き地の坪庭化、セーヌ河岸を浜辺にするなど、セーヌ川を核に、パリは緑化・エコ・福祉の街へと再改造されつつある。
何年にもわたり日本とフランスを往来してきた著者による、フランスの最新都市デザイン政策の渾身レポート。
以下、目次より;
1 はじめにーー惨敗の五十年
2 パリエコ政策:前ドラノエ市長
3 パリの坪庭
4 エコから減災のデザイン
5 ベルジュ・ド・セーヌ
6 ショブレは語る
7 ユースホステルが発電所
8 パリの子供公園は大人目線で
9 野生の側に立つ
10 世界遺産パドカレ炭鉱盆地
11 廃墟から名所へ「プール美術館」