LPAプロポーザル
ーー「Nightscape 2050」展にむけて

5月14日(土)から6月10日(金)まで東京・月島のTEMPORARY CONTEMPORARY で開催されている光の展覧会「Nightscape 2050-未来の 街・光・人」展。この連載では、光の専門技術集団ライティング プランナーズ アソシエーツ(LPA) による展覧会の主要なコンテンツについて5回にわたって紹介しています。

第4回はこれまでの巡回地ベルリン、シンガポール、香港にはなかったコンテンツ「LPAプロポーザル」ついて面出 薫さんに聞きしました。

LPAプロポーザルは2050年の東京に対してのプロポーザルなのでしょうか。

Lighting Pavilionの映像展示の中で、私たちは2050 年に期待する情景を「都市」「道」「公園」「住まい」「人」という5つのテーマに分けて20の提案にまとめています。これは世界中の都市生活のあり方を語っています。今回の東京展ではより具体的に東京の未来像を「東京」「地下空間」「コンビニ」「隅田川」「災害」というテーマで提案しています。1つのテーマをLPAスタッフ3人で担当し、わかりやすく密度の濃いプロポーザルになるよう心がけました。

具体的にはどのような提案ですか。

東京チームは「夜景は光の万華鏡になる」と題し、多彩な表情の街が集まる大都会、東京があらゆる要素を飲み込みながら成熟していくなかで、どのように進化していくのか。雑多ながらも個性的な魅力を持ち、しかも洗練された都市の実現はどのようになされるのかを提案しています。

地下チームは「感覚を刺激する地下空間」と題し、東京駅から続く行幸通りの地下空間について提案しています。今の東京の地下空間は閉鎖的で均質。ただ通り過ぎるだけの無機質な空間です。そこにさまざまな自然が溢れ、時が宿り、強い光を浴びたり、暗闇を体験したり、たたずむ場所がある。足早に通り過ぎていた地下が、忘れていた人間本来の感覚を取り戻す場所になり得るのではないかと考えています。

コンビニチームは「時間を取り戻す地域の居間」としてコンビニを捉え、今のコンビニよりも多機能な人と人とのコミュニケーションの場を提案しています。人が集うために大事な要素がたくさん詰まった提案となっています。

災害チームは私たちが2011年の震災後から活動してきた災害のための照明デザインをまとめ、それらをブラッシュアップした提案をしています。
平時から街に溶け込んで、街の危機に際して暗いことによる不安を少しでも和らげ、安全と安心をつくり出す光の仕組み、“都市の非常照明”を提案しています。

隅田川チームは、東京の代表的な川でありならが近代化の中で生活に背を向けてしまった水辺を「水に映える江戸夜景を創る」というコンセプトで再生しようとしています。江戸の賑わいを取り戻し、夜に水辺を楽しむ環境を提案しています。

こうしたプロポーザルが皆さんの新しいアイデアにつながればと思います。

Photos by Toshio Kaneko

次回は展覧会の総括を面出さんに語っていただきます。

前回までの記事はこちら

「Nightscape 2050 – 未来の街・光・人」展

日時 2016年5月14日(土)〜6月10日(金) 平日 13:00〜21:00 / 土日 10:00〜18:00

場所 TEMPORARY CONTEMPORARY 東京都中央区月島1-14-7(旭倉庫2階)

主催 ライティング プランナーズ アソシエーツ(LPA)

問合せ先 ライティング プランナーズ アソシエーツ 担当:東 悟子 higashi@lighting.co.jp  TEL. 03-5469-1022
Facebook Page: Travelling Exhibition by LPA
https://www.facebook.com/lpa.exhibition/
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