商業・文化施設などの空間づくりを行う丹青社。同社が新人社員教育の一環として 2005 年から実施しているオリジナルの実践型研修「人づくりプロジェクト」。新入社員全員が数名の班に分かれ、第一線で活躍するデザイナーや一流の職人とともに、プロダクトの企画から完成まで関わることで、さまざまな困難を乗り越えて、仕事の“作法”を学んでいきます。すでに2016年度のプロジェクトが動き出しているそうですが、ここでは2015年度の成果13作品を4回にわたって紹介します。テーマは「私たちがオクルモノ」。なお、人づくりプロジェクト展2015「私たちがオクルモノ」は昨年10月1日〜6日まで東京・六本木のアクシスギャラリーで開催されました。

「STEM」
新入社員／宮下 渉、山口徹也
デザイナー／小林幹也（小林幹也スタジオ）、イヴァン・プレリヴェ

1) コンセプト
小物等など置ける組立式コートスタンド。機能、構造、素材を最小限とし、空間に溶け込むデザインとした。

2)　新入社員が学んだこと
デザインの解は1つではない。デザイナー、協力会社が最も大切にしていることを理解することで、チームとして対等に意見を交わすことができる。また、それにより問題が生じたとき、立ち戻る場所が明確となる。

「すうりのとだな」
新入社員／大嶺まどか、吉田茉愛
デザイナー／湯澤幸子（ASSOCCA STYLE）

1) コンセプト
日々の生活を助けてくれる食器棚。目に見えるものの背景にある美しい定理を追及し、その過程と成果をオクリます。

2)　新入社員が学んだこと
何か1つ提案するためには、その何倍もの案を検証することでしか素敵なものは生まれない。デザイナーのつくりたいものを引き出し、協力会社の持つ技術を引き出し、それらが重なり合う良いバランスを追い求めることがわれわれの役目である。

「octave」
新入社員／荒若徳、高松宣城、千田慶樹
デザイナー／藤森泰司（藤森泰司アトリエ）

1) コンセプト
スケール、重さ、テクスチャーの3つの要素から、機能性を超えた「モノ」の魅力を探った。道具としての認識される一歩手前の状態でありながら、そばに置いておきたくなるモノとは何か？ そうした想いをデザインした。

2)　新入社員が学んだこと
カタチを理解しクライアントの思いを読みとること、カタチを実現するために諦めず考え行動する姿勢が大切であること。

写真（会場）／長谷川健太
写真（プロダクト）／尾鷲陽介

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