皆さん、こんにちは。新人コミュニケーターのターニャです。どうぞよろしくお願いいたします。今回は、現在「The Lab.みんなで世界一研究所」2階で開催中の「FREE SOUND 解き放たれるオト展」をご紹介します。オーストリア・リンツ市を本拠とするクリエイティブ・文化機関「アルスエレクトロニカ」とのコラボレーション「ARS ELECTRONICA in the KNOWLEDGE CAPITAL」の第5弾となる今回のテーマは「音」。音を題材とした表現活動で世界的に注目されている2組のサウンドアーティストによる作品を展示しています。
まずはクリスティーナ・キュビッシュさんの作品「Cloud」。世界8カ所で記録された電磁波を音として聴くことができます。専用の特殊なヘッドフォンを付けて、赤いケーブルでできた雲の周りを歩くと、場所によって異なる音の風景が浮かび上がり、今まで経験したことのない感覚を味わえるのです。
電磁波を聴く?と首を傾げた皆さん、早速コミュニケーターのおきょんピーとともに体験してみました。
ヘッドフォンをつけた瞬間、言葉では表現し難い音に耳を塞がれ、現実世界から遮断されたような浮遊感に陥り、今までに経験したことがない感覚を味わいました。見慣れたThe Lab.の風景なのに、構成する要素がガラッと変わってしまったかのような、パラレルワールドにトリップしていたかのような幻想的な時間。紫外線が見える虫の話を聞いたことがありますが、何だか人間離れした五感を超える特殊能力を身に付けたような、不思議な感覚でした。この世には私たちの目に見えない光景が広がっているのだと音を通して伝えてくれる作品です。皆さんも不思議な世界を体験してみませんか?
続いて、和田 永さんの「時折織成ーー落下する記録」です。約25分かけてゆっくりと磁気テープが重低音の音を放ちながら、透明の柱の中へ落下して折り重なっていき、“音の彫刻”をつくり出します。その音を聴きながらボォーっと不思議な世界に浸って見入っていると、いきなり高速でテープが巻き上げられながら曲が流れ出します。その後は何事もなかったかのように再びテープの落下が始まり……。非日常の時空間に誘い込む作品です。今ではもう使われなくなったオープンリール式テープが新たな楽器として再生され、音の彫刻として視覚と聴覚両方に新感覚を与えてくれます。何の曲が流れているかは、ぜひ直接体験して確かめてみてください。
どちらの作品も4月10日(日)まで展示予定です。サウンドアートの最先端を大阪で味わえる絶好の機会をお見逃しなく!
※「時折織成ーー落下する記録」はThe Lab.2階アクティブスタジオ内で展示しています。アクティブスタジオでのイベント開催時は、体験していただくことができませんのでご了承ください。作品の実演時間は「FREE SOUND 解き放たれるオト展」のホームページでご確認ください。(文/コミュニケーター ターニャ)
この連載は、ナレッジキャピタルのコミュニケーターの皆さんに、ナレッジキャピタルとその周辺についてのさまざまな話題を提供していただきます。