現在発売中のAXIS179号に掲載のシャープ ブランディングデザイン本部によるオリジナルシリーズ広告のコンセプトについて、製作担当の方々に語っていただきます。
※第4回広告の大きな画像はこちらからご覧ください。
第4回「感動をつくる裏側」
複雑に入り組んだメカを相手に試行錯誤を繰り返す若手デザイナー。今、彼女はプレゼンテーションに備えてプロトタイプの最後の調整を行っています。「本体デザインは狙い通り。あとはちゃんと動けば完璧だ……」。
美しい佇まいの裏側に組み込まれた小型プロジェクターの光軸やモーターのスピードを調整し、制御基板にスピーカーを接続、プログラミングで各シーケンスのタイミングを図り……と余念がありません。
インジケーションの光から 生命感のある光へ
感情のない電子音から 心地よい環境音へ
機械の動きから 自然の動きへ
私たちは家電製品に、情緒的な表現を取り入れ、製品とともに暮らすお客様へ豊かな体験をお届けしたいと考えます。そのためには、瞬間をとらえて外観だけをデザインする従来の方法に止まらず、移りゆく時間の中で人と機器の関係を丁寧にデザインしなければなりません。
プロトタイプはその想いを具現化した象徴であり、意図通りに光り、音を発し、動くことが重要。デザイナーは、ときにはエンジニアになり、普段は決して見えることのない裏側にもしっかり想いを組み込んでいます。
すべてはお客様の感動をつくるために。
今日も社内のどこかでデザイナーが機械とにらめっこ、ああでもない、こうでもないと頭を抱えています。
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