カバーインタビュー　田村奈穂（デザイナー）
「田村奈穂の作品を前にして気づかされるのは、無駄をそぎ落とした簡素なフォルムとシャープな造形の巧みなバランス。そこに独特の気品が漂う。水平線を境に水の中の世界と水の上の世界を表した代表作「フロート」では、2つの異なる世界を簡素な形に閉じ込めて、静謐な光の表現につなげた。作品がたたえる凛とした表情は、デザインに尽くす彼女の生き方や態度とも決して無縁ではない。

特集　エネルギーの新しいかたち
石油や天然ガスといった化石燃料の枯渇が危ぶまれ、地球温暖化や原発の問題に直面する現在、世界各地で自然エネルギーへの転換と活用がますます加速している。一過性ではなく、サスティナブルな未来を見据え、国や自治体の政策の枠を超え、既成概念にとらわれずに、新たなエネルギーのあり方を追究する。そんな創造性溢れる取り組みの数々を紹介する。

オピニオン　水上 力（和菓子職人、一幸庵）
吟味された材料を使い、四季折々の風景や動植物の一瞬に見立てた表現を楽しむ和菓子。なかでも東京・小石川に店を構える一幸庵の和菓子は、職人・水上 力氏による食べる人を想う繊細な手仕事と、ときに彫刻作品を思わせる大胆で自由な発想の菓子づくりが国内外で高く評価されている。後継者不足や洋菓子の勢いに圧されがちな和菓子の現状。季節を楽しみながら暮らしてきた日本人の心を次世代に継承すべく、和菓子の素晴らしさを広く伝えたいと奮闘する同氏に話を聞いた。

愛のコンティニュアスデザイン　#06 清水久和×ノリタケカンパニーリミテド 「コンポート」
コンティニュアスデザインとは、S&O DESIGNの清水久和が掲げる独自の手法。粘土をこねるように3Dソフトを操ることで、道具を持ち変えることなく、スピーディで連続性のあるデザインを可能とする。本連載では毎号、各分野を代表する企業とS&O DESIGNが協働し、既存の枠組みにとらわれないデザイン開発に挑戦。オリジナルのコンセプトモデルを発表する。

トピックス　行為をインターネットにつなげる―アマゾンのスマートなデバイス
ECサイトを運営する小売業という位置づけで説明されることが多いアマゾン。しかしそれは同社の一側面でしかない。電子書籍リーダーの「キンドル」をはじめ、生活者と自社サービスをつないだデバイス開発にも定評があり、その動きは近年ますます加速している。最近発表された3つのデバイスを通して、同社が見据える未来の生活を考える。

トピックス　 建築の新しいラグジュアリーを提案する、リビング・アーキテクチャーによるホリデーコテージ
多くの人にとって、有名建築家が手がけた空港や美術館といった公共施設は利用できても、彼らの設計した家に住むことは難しい。リビング・アーキテクチャーは、建築家の建てた革新的な家にホリデーとして滞在し、その楽しさを体験してもらおうという英国のNPO団体。すでにMVRDVやマイケル・ホプキンスといった建築家がプロジェクトに参加し、今夏にはターナー賞受賞のアーティストであるグレイソン・ペリーとFAT建築事務所による家が完成。年内にはジョン・ポーソン、来年にはペーター・ツムトアの家が竣工予定だ。同組織のディレクター、マーク・ロビンソンにホリデーコテージをつくる理由を尋ねた。

その他トピックス
更新し続ける家具ブランド「TOG」
10年目を迎えたAXISギャラリー企画展―「金の卵 オールスター デザイン ショーケース」

その他連載
ザ・プロトタイプ 京セラ「エマージェンシー・キット」
まばたきの記憶　「「石鹸の人」　文・スケッチ・写真／鈴木康
本づくし・書評　落合陽一／竹原あき子／熊谷有記
産学連携の正しいやり方　九州大学+モンブラン・ピクチャーズ+anno lab & 福岡市
フロム・ザ・ワールド　パリ／ボーフム／パロアルト／札幌　
クリエイターズワーク＆ソウル 岡本 健／ガムフラテージ　ほか

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