新刊案内
松隈洋 監修『村野藤吾の建築 模型が語る豊饒な世界』


『村野藤吾の建築 模型が語る豊饒な世界』
松隈 洋 監修(青幻舎 2,700円+税)

本書と同名タイトルの展覧会が、東京・目黒区美術館で9月13日(日)まで開かれている。

京都工芸繊維大学美術工芸資料館に収蔵する約5万点に及ぶという村野藤吾(1891-1984)の設計原図。それらを村野の設計研究会や同校の学生が約20年をかけて整理・研究し、80点を超える精巧な模型をつくり上げた。本書は、その成果として、実現しなかった建物を含む80点の建築模型、設計原図やスケッチ、建物の現況写真を掲載する。

日本を代表する建築家とされながらも、建築様式の枠に収まり切らないと、検証が遅れていた村野を再評価するとともに、次々と取り壊しが進む村野建築に対して一石を投じる内容となっている。B5変型、並製、240ページ。

なお、展覧会は、2016年3月から京都工芸繊維大学美術工芸資料館へ巡回予定。


以下、目次より。

対談
村野藤吾が現代に遺したもの
長谷川 尭(建築評論家)× 松隈 洋(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)

建築の心と力 村野藤吾の設計原図が伝え育むもの
松隈 洋(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)

作品図版
日本生命日比谷ビル
読売会館・旧そごう東京店
旧日本興業銀行
新高輪プリンスホテル
旧大阪歌舞伎座
世界平和記念堂
尼崎市庁舎
早稲田大学文学部校舎 など

模型から村野藤吾を考える
笠原一人(京都工芸繊維大学大学院助教)

村野建築教室 “建築を視ること”から生まれる関係の広がり
降旗千賀子(目黒区美術館学芸係長 学芸員)