カバーインタビュー　田根 剛（建築家）
2006年、エストニア国立博物館のコンペに優勝し、12年に新国立競技場のファイナリストに名を連ねたドレル・ゴットメ・田根／アーキテクツ（DGT.）の田根 剛。パリ・グランパレでの北斎展やシチズンのインスタレーションをはじめ、さまざまな展覧会の会場構成など活動範囲は広く、欧州、米国、日本とプロジェクトの数はますます増えている。パリを拠点におよそ月一度の割合でエストニアや日本を往復する田根に、東京で話を聞いた。

特集　デザインスタートアップの未来冒険
今やデザインにおいても多様なスタートアップと、それを支えるベンチャーキャピタルが続々と登場してきている。社会の硬直したシステムにイノベーションをもたらそうとするスタートアップだからこそ、テクノロジーやデザインにおける新たな発想とスピード感が求められる。本特集では、デザイン関連スタートアップとベンチャーキャピタルへの取材を通して、起業するデザイナーに求められるものとは何か？を問いつつ、今後のデザインビジネスのあり方と可能性を探っていく。

オピニオン　関山和秀（Spiber 取締役兼代表執行役）
鉄を超える強度を有し、ナイロンよりも高い伸縮性を持つ……。そんな夢の繊維と言われるクモ糸の人工合成と量産化に世界で初めて成功した。組み込む遺伝子の配列操作によって自在に特性をデザインできる「QMONOS（クモノス）」は、環境負荷の少ない生分解性素材としても注目を集める。「人類規模の課題解決に貢献したい」。その想いを引っさげ、次世代繊維の製品化に向けてアクセルを踏む関山和秀氏を、Spiber（スパイバー）の拠点がある山形県鶴岡市に訪ねた。

トピックス　 サンチアーゴ・シルゲッダ　建築家である前に市民であること
スペイン・セビリアの建築家、サンチアーゴ・シルゲッダに興味を持ったのは、「デザイン・インダバ」のスピーカーを紹介するサイトがきっかけだった。リンク先のユーチューブにはアルジャジーラ放送の人気シリーズ「レベル・アーキテクチャー（反逆する建築）」がアップされ、時に法の目をくぐり抜けながら市民とともに活動する様を「ゲリラ・アーキテクト」として描いていた。建築は誰のためにあるのかを再考するとともに、シルゲッダの強烈な生き様に魅かれ、デザイン・インダバで真っ先に彼へのインタビューを申し出た。

トピックス　 すべてが一緒に育っていく—沖縄「空の森クリニック」
沖縄本島南部の八重瀬町に誕生した、不妊治療を中心に高度生殖医療を行う「空の森クリニック」。総合プロデュースを任されたグラフィックデザイナーの佐藤 卓は、全く新しいコンセプトを立ち上げ、建築家の手塚貴晴と手塚由比、アーティストの黒塚直子らとともに「生命を育み、人の心を鎮め、多様な生物を受け入れる森」をつくり上げた。

トピックス　ホームセンター×デジタル工作工房の試み—カインズ鶴ヶ島店「デジタルFabスタジオ」
3Dプリンターをはじめ、歴史的な“ものづくり革命”の気運を導く、デジタルファブリケーション。日本では話題先行の感が否めないその動向に、意外な一石が投じられた。この春、「カインズ鶴ヶ島店」に誕生した「デジタルFabスタジオ」。なぜホームセンターが3Dプリンターやレーザーカッターを運用するのか。大手家電メーカーを辞してこの企画のために奔走したデザイナー、運営に協力した「ファブラボ渋谷」の関係者の証言を交え、その展望に迫る。

トピックス　石巻工房を捉えたスイスの目、日本の目
スイス人と日本人の計10組のデザイナーが、両国のものづくりに触れるプロジェクトが進行している。今年2月のスイスでのワークショップに続き、5月にはスイス人デザイナーが日本を訪れて、それぞれに石巻工房のための製品を提案した。すでに文化の壁を意識する必要のない世代のデザイナーたちが、制約の多いものづくりに対してどのように挑み、答えを見出そうとしたのか。その成果は間もなく明らかになる。

その他トピックス
五感を捉えなおす体験「LEXUS―A JOURNEY OF THE SENSES」
海外展示会を舞台にスキルを試す、富士通デザインの取り組み

その他連載
ザ・プロトタイプ アイシン「アイリーエー」
まばたきの記憶　「予感の拡張子」　文・スケッチ／鈴木康広
愛のコンティニュアスデザイン S&O Design 清水久和×天童木工「ラケットチェア」
本づくし・書評　暦本純一／大矢隆一／安積朋子
産学連携の正しいやり方　武蔵野美術大学とコアルー
フロム・ザ・ワールド　ウィ—ン／バンコク／ニューヨーク　
クリエイターズワーク＆ソウル 丹治基浩／藤井茂紀　ほか

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