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2015.06.19 15:16
『HIGASHIYA』
緒方慎一郎 著(青幻舎 3,900円+税)
和菓子店「HIGASHIYA」の代表でありクリエイティブディレクターでもある緒方慎一郎。本書は、2003年の創業以来、菓子はもちろんのこと、パッケージや空間デザインなど、すべてに貫かれたHIGASHIYAのコンセプトを、泊 昭雄の写真、緒方と松岡正剛の寄稿「日本に挑んでいる男」を通じて紹介する。松岡は本書の構成も担当している。
なかでも興味を惹いたのは、「緒方慎一郎が語るHIGASHIYA」と「同朋へ」。
どちらも、緒方のHIGASHIYAを立ち上げた思いや、十数年の間で考えたことが語られているが、日本・長崎・伝統を強く意識し、「新しいものをつくりだそうとするときはいつも、すでにあるもののなかに発想の種はある」「つくりたいのはコミュニティーだ」「共感を通して人とつながる幸せである」といった気持ちが訥々と綴られている。
美を追求する緒方の根源が、コミュニティーの創出にあるという点が新鮮に感じられた。
B5変型、ソフトカバー、192ページ、和英併記。
なお、本書の刊行にあわせて、企画展「HIGASHIYA」が6月20日(土)〜28日(日)まで、ポーラ ミュージアム アネックス(東京・銀座)で開かれる。詳細は、 http://www.higashiya.com まで。