NEWS | プロダクト
2015.05.12 13:38
『ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS II 植物図鑑』
東 信 著、椎木俊介 写真(青幻舎 3,200円+税)
2012年に刊行した『ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS 植物図鑑』の第二弾で、約1,200種、合計15,000本を超える花や植物を収録している。
東 信と椎木俊介は、2002年に完全オーダー制の花屋「JARDINS des FLEURS」を立ち上げ、東は2009年から実験的植物集団「東信、花樹研究所(AMKK)」を通じて、世界各地で彫刻的作品「Botanical Sculpture」を発表し続けている。
そのふたりが、多くの種が消えると同時に、数え切れないほど新種が誕生している現状を踏まえ、定点観測としてまとめたのが本書。東は「第一弾からのたった2年間で、これほど目まぐるしい変化が起きていることは、脅威に他ならない」と綴っている。
ページの隅から隅まで、ぎっしりと詰まった花や植物の写真に圧倒されるのは、それが単に自然の造形美や色彩の豊かさといったこととは別に、「人の欲望によって常に更新を余儀なくされる自然のドキュメント」という意味合いがあるからだろう。
真俯瞰もしくは真横、ほとんどが自然光で撮影された花々は、限りある命や人間の業など、見る人のイメージを喚起させるようだ。
デザインは、日本デザインセンターの原研哉+松野薫+西明子。
B5変型、ソフトカバー、544ページ。